2024_一人花見vol.4 ~京都/平等院の藤~

平等院の藤 ほり
宇治は”みんなの心の中にある京都”に一番近い町かも知れない。

天気が良かったので、前々から行ってみたかった平等院を訪ねてみました。
大阪から宇治って微妙に遠いんですよ。
泊りで行くほどではないけどまあまあ移動に時間がかかって、観光に使える時間が少なくてなんか損した気がするという… 今風にいえば「タイパ」というやつなんでしょうが、私はこの言葉を蛇蝎のごとく嫌っているので素直に日本語で時間効率と呼びます。
さて、無職は時間の効率など考える必要がなく、行きたいところへ行きます。
藤が見頃を迎えているという情報を得て、天気予報と相談の上即日行軍いたしました。

移動時間を楽しむ 京阪特急の「プレミアムカー」に乗ってみる

タイパ悪い(←使ってるやん)っていうのは、要するに、移動を要らん時間と考えてるからでして。
だったら移動を楽しくしてみよう!ということで、京阪特急の「プレミアムカー」に乗ることにしました。
▼京阪電車さんの公式サイト
https://www.keihan.co.jp/traffic/premiumcar/
京阪神間で有料特急に乗ったことがほとんどないので新鮮です。

京阪特急 プレミアムカー
京阪特急 プレミアムカー

座席指定券はネットでも駅の券売機でも買えます。
これが券売機。
現金以外の主要な支払い方法にはほぼ対応しています。
現金とは何だったのか。

かっちょいい電車。ロープレっぽいロゴがイカす。

「移動を楽しく」のつもりで乗りましたが、どうもそういう意図の電車ではなさそう。
「混んでる京阪間で余裕こいて座る」ための電車のようで、高級感はあれどもエンタメ感はありません。

足元広めやけど、足置き台はないよ。すぐ着くからいいけどね。

充電用のコンセントはひじ掛けの下にひっそりあります。ほんとうにひっそりしているので、がんばって探そう!

中書島で宇治線に乗り換えて、約15分で宇治駅に到着です。

知らんかった!宇治には世界遺産がふたつもあったよ!

道中慌てて調べたんですが、宇治って世界遺産がふたつもあったんですね!大人なのに知らんことがいっぱい。
ひとつは今回の旅の目的地である平等院。
もうひとつは、日本最古の本殿を今に残す宇治上神社です。
せっかくなので、駅近やしこちらも訪れましょう。お参りの動機が雑すぎて罰が当たりませんように。

宇治駅

あ、こっちは世界遺産ではありません。聖地ではあっても。

宇治川を見ながらランチ、否お昼の御膳

せっかく宇治に来たので茶そばをいただきます。
そんなにおなかはすいてなかったんですが、サンドイッチとか食べるのもなんか違う気がして。
ランチと呼ぶのは風情がない。お昼の御膳と呼んでいにしえ感出していきましょう。

お茶を推してくるのは予想通りでしたが、思ってたより源氏を推してきます。

源氏物語

宇治は”みんなの心の中にある京都”に一番近い町かも知れない

私はそこそこのアンチ京都です。暑くて寒くて人が底意地悪い上いつも混んでるからです(個人の感想)。
緑鮮やかな山々にに囲まれ、穏やかな川が流れ、落ち着いた色合いの街中に時折ちらりと見える鳥居の朱が映える。四季の花々が咲き、芸舞妓が行き交う。夕刻には寺社の鐘の音が厳かに響きあう。おこしやす。
みたいなイメージが喧伝されてますが、JR京都駅降りたら全然そんな感じじゃないでしょ。キャリーケースがひたすらごった返しておってね。
むしろ、そのイメージに近いのは宇治じゃないかとこのほど思いついたのです。

宇治の町並み

ほら、芸舞妓以外いい線いってるでしょ。
動画も撮ってきたのでそのうち上げます。

宇治神社から宇治上神社

宇治神社
宇治神社

宇治神社
こじんまりとした神社ですが、山を背負って静謐な佇まいが良いです。
▼宇治神社さんの公式サイト
http://uji-jinja.com/
これを見るといっぱいうさちゃんいたみたいなんですが、けっこう見落としておる…

宇治上神社

宇治上神社
こちらもうさぎ押しです。
▼宇治上神社さんの公式サイト
https://ujikamijinja.amebaownd.com/
お伊勢さんにも似た凛としたたたずまいが良いです。

宇治上神社

うさぎのおみくじをいただきました。

そして平等院へ

平等院は、境内とミュージアムを見学できる拝観料が700円、鳳凰堂の中をガイドつきで見学できる内部拝観料が別途300円です。庭園はそれほど広くないので、ゆっくり歩いて写真撮りまくっても1時間ちょっとで見て回れます。
▼平等院さんの公式サイト
https://www.byodoin.or.jp/
境内に一歩入ると藤棚とおしゃれカットされたつつじが出迎えてくれます。
というか正門前にも藤棚ありますけど。

平等院の藤

平等院さんのサイトには「見頃」とありましたが、もう終わってきてない…? まあ、花は一度咲き始めると待ってくれないということは、桜の花見三連発で既習なわけですが。

平等院鳳凰堂

十円玉でおなじみ、鳳凰堂。
天気が良すぎて、嘘くさいほどきれいに撮れました。

境内は、余計なものがなく整然とした美しさ。実に日本的な庭園です。
しかし、中堂内部の柱や扉壁画の復元を見ると(ミュージアム「鳳翔館」で見られます)天平感漂うゴリゴリの極彩色で、いわゆる引き算の美ではありません。もしかしたら、昔はお庭も違う感じだったかもしれませんね。ロマン。

平等院ミュージアム鳳翔館

平等院ミュージアム鳳翔館。
正門から見ると一番奥にふわっとあります。広くはありませんが、全展示品が貴重でかつ美しい、見飛ばすところのないイケミュージアムです。必見。
圧巻は、雲中供養菩薩像(国宝)。
鳳凰堂内部(中堂)の壁面には雲に乗った菩薩像が本来52体飾られていたのですが、うち半数の26体がこのミュージアムに移設展示されており、間近に見ることができます。塗装こそ剥げてしまっているものの、1000年前のものとは思えないほど姿がきれいに残っています。一体一体が息遣いが聞こえてきそうなほど精緻に造り込まれており、素晴らしい完成度です。(個人の感想)。
ちなみに、鳳凰堂には残りの26体と、外された26体のレプリカが何事もなかったかのように飾られています。

内部拝観。
境内の券売所で拝観券を購入。券面に示された時間のツアーにのみ参加できます。5分前集合。
ガイドは日本語のみ。日本語がわからない人用にはパンフレット?が用意されているようです。
こんなもんを多言語対応したら300円では絶対無理なのでこれでいいです。
ガイドさんのお話はもちろん興味深くて良かったんですが、なぜガイド付きでしか拝観させないかということのほうを考えてみたいです。
メンテが行き届いているとはいえ、鳳凰堂は1000年前の建物。あちこちべたべた触ったり凭れかかったりしてはいかんのです。が、いくら入場前に注意したとて、話を聞かずにやらかすアホが必ずひとりやふたり混ざります。そんなアホから国宝を守るためにガイドさんがいるのです。
きっと。知らんけど。

平等院鳳凰堂

ここから入ります!
殿上人の気持ち。
館内は撮影、飲食厳禁。国宝を守るぞー

ガイドさんのお話で知りましたが、平成の修復では、建築当初の姿に可能な限り近づけたとのことです。瓦も当時の意匠だそう。

金色の鳳凰。これも往時の姿とか。

完全な余談ですが、帰りこそプレミアカーに乗るべき

17時半頃までには大阪に返る必要があり、16時過ぎには平等院を後に。にぎやかな参道を通って京阪宇治駅へ。 中書島で大阪方面行に乗り換えるわけですが、すでに京都の主要駅から乗ってきた人でいっぱい。
なんか、座りたいなー、って思いまして。
歩き疲れた帰りこそ、確実に座れることにお金を払う価値があったと気づきました。おしまい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました